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執筆者の写真3B Japan

脳卒中の背後に活性酸素の「黒い影」

更新日:2022年9月11日

ガンに次いで、日本人の死因の2位、3位を占めるのが心筋梗塞などの心疾患と、脳梗塞や脳出血(くも膜下出血を含め)に代表される脳血管疾患です。いずれも、ある日突然倒れ、死亡したり、一命を取り留めても後遺症が残ったりする点で、極めて悲劇的です。この二つの疾患のもともとの原因は、いわゆる「動脈硬化」と言われています。動脈の血管が硬くなり、そこに血栓や血小板などが徐々に溜まっていって、血管の幅が狭まり、血流が滞るようになる。これが冠状動脈で起これば心筋梗塞、脳動脈で起これば脳梗塞となるわけです。



なぜ動脈硬化がおきるのか?

実は「活性酸素」が深く関わっています。医学界では現代病の90%は活性酸素が原因で起こると言われています。

体内で過剰発生した活性酸素は、まず全身の細胞を覆っている細胞膜に含まれる「不飽和脂肪酸」という物質を酸化させます。この「不飽和脂肪酸」は非常に酸化しやすく、それが酸化すると「過酸化脂質」という毒性の強い物質に変わります。

 やがて、この猛毒物質「過酸化脂質」は動脈の中にまで入り込み、血管の内側をボロボロにします。また、血小板を血管の内膜に付着させ、さらにはそこに悪玉コレステロールを呼び込んで壁の内部に侵入させていきます。こうして、動脈は硬く、狭くなり、血流を阻害するようになります。つまり動脈硬化とは、いわば活性酸素による“クーデター”です。

 そしてもうひとつ、トドメの一撃もあります。悪玉コレステロールが活性酸素によって酸化されると、酸化コレステロールという物質に変わり、それを退治するのが、通称“大食細胞”と呼ばれるマクロファージという物質です。

 このマクロファージは、人間の重要な免疫機能のひとつなのですが、大きな問題も抱えています。それはマクロファージが“玉砕部隊”だということです。敵を倒すと同時に、その場で息絶える。その屍が血管に付着して、結局は血流障害の一役を担うことになるのです。

 動脈硬化により引き起こされる、血流障害の“黒幕”が活性酸素であることを多少なりともお分かりいただけたでしょうか。


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